BIX-ppとは何か?

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様々な分野で、情報化が進められています。植物生産の分野も例外ではありません。特に、先端的な生産を行っている施設園芸や植物工場における植物生産では、多分野の生産技術が統合されています。すなわち、植物生理学、土壌肥料学、育種学、栽培学、土木学、建築学、農業機械学、ロボティックス、制御工学、応用計測学、気象学、経済学、経営学、ロジスティックス、人間工学など、実に多くの分野に関連しています。したがって、その生産過程を情報化する場合には、多種多様な情報を分野横断的に処理していかなければなりません。現状では、それらが下に示した図のように、ばらばらに管理・記録されていて、統合されていません。


情報が統合化されていないばかりでなく、規格化されていないため、それらの情報を処理するコンピュータのアプリケーションソフトウェアの開発も困難を極めています。これらの問題を克服しなければ、植物生産の情報化の推進は不可能です。

そこで、これらを統合化し、その標準規格をここで提案したいと思います。2001年に構想が提案された、BIXの考え方に基づき、植物生産の過程の情報を統合し、一本化するために、BIX-ppという規格を作りました。


BIX-ppは、XMLで記述されている、標準化された植物生産過程の記録オブジェクトです。この規格に基づいて記録された植物生産の過程は、対応する汎用的アプリケーションソフトウェアによって、様々な解析が容易に行えます。また、生産者が過去の生産検証を行ったり、何回かの生産を比較検討したり、コンサルタントから生産の診断や指導を受ける際のカルテとして用いたり、さまざまな用途に使用することが可能です。この提案に、ぜひ賛同いただき、新たな開発や提案に参加くだされは、これほどうれしいことはありません。

本研究は、日本学術振興会科学研究費補助金、基盤研究(C)(2)植物生産過程のEDI化に関する研究(課題番号:14560220)の支援を受けて、実施されました。


製作・著作 東海大学開発工学部 星 岳彦